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Archive for the ‘読書’ Category

Portraits – 村治佳織

12月 17th, 2009

寒空の下、村治佳織のコンサートを観に行ってきた。ランプとベンチが置かれたステージは落葉が敷きつめてあるという、12月らしい、美しくもちょっと儚い演出が。なんでも北欧の公園をイメージしたもので、ベンチには老夫婦が腰掛けて来し方を回想しているという設定なのだとか。

コンサートは「Merry Christmas Mr. Lawrence」からスタート。原曲も大好きなのだけど、ギターの音で聴くのも味わいがあって良い。ギターの方が、より枯れた印象。ステージの演出と相俟って、音に奥行きを深めているような感じ。他にも「Tears In Heaven」とか「In My Life」など、近年のスタンダードをギター用にアレンジした曲が多め。枯れた哀感を漂わせながらも、なんだか深いところで灯がともるような、心暖まるコンサートでありました。

ポートレイツ
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村治佳織
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80%の時間の使い方

3月 15th, 2009

IT業界にいる人間には聞き飽きた話でもあるけど、20%ルールというものがある。早い話が、80%の時間は会社から求められている業務に当て、残りの20%は自分の関心分野を研究するなどに使うべし、という制度。Googleが導入していることで有名。

小飼氏の主張はシンプルで、比率を80:20じゃなくて20:80にすべし、そして80%の時間を次の時代を生き残るための「仕組み」を作ることに使うべし、というもの。通常業務を20%にまで抑えてしまうという発想は、プログラマーでもある氏ならでは。

ちなみに、この本には「どういう仕組みを作れば勝てるか」ということは書いてない。むしろ、どうすれば勝てるのかを絶え間なく考え続けなきゃいけないし、そのためには時間を確保できるようにすべし、暢気に「仕事」なんてやってる場合じゃねーだろ、お前ら、というお話でございます。

ところで、読んでる途中で、その昔に何を血迷ったのか「120%ルール」をほんとに制度化してしまった会社があったのを思い出してしまった。いや、どこの会社なのか実名は伏せておくけれども。


“小飼弾の 「仕組み」進化論” (小飼 弾)

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Accelerando

3月 11th, 2009

猫が登場するSFと言えば「夏への扉」。遥か昔に読んだときの記憶が間違っていなければ、この猫は確か喋らなかったはず。でも、もし猫が饒舌だったら?

William Gibsonに始まり、Neil Stephensonに受け継がれたサイバーパンクをさらに加速させたらこうなる、という見本。脳の外側に持っている計算能力を失った途端に「ここは誰?私はどこ?」状態でアイデンティティの危機を迎えたり、いとも簡単に人格を分岐させたり、またマージしてみたりするくだりはGreg Egan風でもある。

早い話が、古今東西のありとあらゆるガジェットや宗教、経済学、量子力学にコンピューターサイエンス、サブカルチャーだのポストモダンだのを物凄い勢いで放り込んで、ロブスターで味付けして猫に喰わせてみたらこんなのができました、というところか。物語中に出てくる人類と同様に、フューチャーショックの嵐に吹き飛ばされそうになる感覚を味わいながら、細かいところの深い意味は気にせずにひたすら前へと読み進めるのが正しい。

それでいて、Greg Eganほどには重くならないのは、現実離れしたとんでもない世界にありながらも、そこに出入りしている「人物」たちが妙に人間味があって、そのギャップがなんだかユーモラスに見えてしまうところ。外見は物凄い進化した存在になってるはずなのに、やってることは相変わらずなグダグダ加減で、全然進歩してねーじゃん、みたいな。この辺りのバランスが絶妙で、退屈せずに最後まで走れる。

あ、ちなみに、猫がもし饒舌だったら。たぶんうっとおしくてしょうがないだろうと思うな、きっと。


“アッチェレランド (海外SFノヴェルズ)” (チャールズ・ストロス)

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